HOME >> 熊本ここだけの話

熊本ここだけの話

つれづれなる阿蘇の旅

2008/08/26 16:41

 阿蘇に一泊旅行した。熊本市内からだと南阿蘇までは車で1時間弱、一番遠い小国まででも2時間程度で着くので、日帰りで温泉やグルメを楽しむことが多いのだが、今回は特に目的もなく、ただただゆっくり温泉につかって何も考えずにぼんやりしようと思い、旅に出た。
 目的地は熊本県と大分県の県境近く、阿蘇郡小国町のはげの湯温泉。観光目的、それも初めての旅先だと、少しでも多くのスポットを回ろうと事前に綿密なスケジュールを立てるのだが、今回の旅は宿だけ手配して、あとはノープラン。とりあえず宿のある小国町に行こうと、家を出た。


 車を走らせること約1時間強、阿蘇市に入った途端、目の前に緑が広がった。牧草の薄緑、針葉樹の濃い緑・・・と色調の異なる緑の絨毯がどこまでも続いている。思わず車の窓を開けると、顔に当たる風が心地よい。エアコンを止めて、窓を全開した。やはり市内とは気温が違う。空気も美味しい。周りの緑を見ながら、ふとイギリスを旅したときのことを思い出した。ロンドンから湖水地方に向かう列車の車窓から見える風景も、どこか阿蘇のやまなみに似ていた。車中で知り合った老婦人に、「KUMAMOTOを知っているか?」と尋ねたところ、返事は「No」。そこで、「Mt.Asoを知っているか?」と尋ねると「Yes」。日本と聞いて連想するのは、「東京」、「富士山」、そして「阿蘇山」とのこと。異国の地で改めて阿蘇の偉大さを実感した出来事であった。


 小国町には予定通り、家を出てから2時間余りで到着した。宿に行ってチェックインするにはちょっと時間も早かったので、途中立ち寄った道の駅で教えてもらった「鍋ヶ滝」に行ってみることにした。ここは某清涼飲料水のコマーシャルで話題になったスポット。車を近くに止めて、滝までは山道を下らなければならない。思いの外、急な下り坂もあり、ところどころ立木をつたいながら下っていく。折りしも朝からの雨で濡れた山道を歩いていると、自然と足に力が入る。

P1000075.JPG

  足元に気を取られながら歩くこと約7分、ようやく滝に到着。滝の音と水しぶきが涼しさを演出する。鍋ヶ滝の名物(?)は、滝の裏側に入ることができること。足元に注意しながら裏に回ると、そこはまさに水のカーテン。カーテンの向こう側には、木々の緑がうっすらと広がる。つま先だって背を伸ばして、深く息を吸うと、マイナスイオンが体いっぱいに充満して、すっかり健康になった気分。

P1000079.JPG

 心身ともにリフレッシュし、宿に向かった。宿で一休みし、まずは別棟の露天風呂へ。あいにく雨が降っていたが、温泉にはしっとりした雨もまた風情があっていいものだ。露天風呂には雨よけがついていたので、お風呂から遠くのやまなみを一望。自然と体の力が抜けていく。すっかりくつろいだ心地で夕食をいただくと、心も体も満足してそのままバタンキュー。
 翌日は朝からゆっくり内湯に浸かって、朝食をいただき、9時半頃宿を出発。帰り道は気の向くまま、道路沿いの物産館数か所に立ち寄り、南阿蘇で名物の蕎麦を食べて、帰宅の途についた。


 今回の旅で心に残ったのは、一緒に旅した両親の笑顔。面と向かってありがとうと言えない分、少しは親孝行できたかな、とちょっぴり嬉しい。そういえば、途中寄った物産館では、申し合わせたように私が手にしたものと父が手にしたものが一緒だった。やっぱり親子だと互いに照れ笑い。そして、体に残ったのは、筋肉痛。前日の滝までの往復が響いたよう。温泉に浸かったからこの程度の痛さで済んでいるのであろう。これからは、日々の生活でもっと体を動かそう、少しは運動しようと心に誓った旅だった。