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スタンフォード便り

シリコンバレーのお金持事情

2008/05/08 09:55

House_050108.JPGのサムネール画像
先日、スタンフォード大学から車で30分程の距離にあるポトローラー・バレーというシリコンバレー一帯を眺望できる高級住宅地にお住まいのお宅にお邪魔しました。
到着したのは、夕方5時前でしたが、夏時間のこちらはまだまだ日も高く、爽やかな青空の下、素晴らしい眺望を楽しむことができました。

さて、このポトローラー・バレーのカップル・・・スタンフォード大学のメディカルスクールをご夫婦で卒業され、ご夫婦ともにベンチャー・キャピタリストとしてご活躍。
ご主人の方は、仕事は、60歳を機に、既にセミリタイヤされていて、ペースダウンしてVC業務を続けつつ、日頃は家族サービスに精を出しておられるとか。
お邪魔した日は、そのご主人が、まる2日かけて作ったという高級カレーをご馳走になりました。
このご夫婦が言うには、自分たちはバレーのお金持ちにははいらないそうです。

シリコンバレーの有名な高級住宅地区が3カ所あります。
一つは、ご紹介したポトローラー・バレー地区。元々ここに住む住人は、石油ビジネスや金融等、IT関係とは異なるビジネスで代々ビジネスをファミリーで継承してきた筋金入りのお金持だそうです。自宅に山を一つすっぽり持っていたり、自宅の庭の散歩には1時間以上かかるという広大な敷地を持っているような人々がここに住んでいます。
もう一つは、ウッドサイド地区。ここはITビジネス業界の人々が憧れる土地で、ウッドサイドに牧場付の大きな家を建てることが成功した証だそうです。
さらにもう一つは、サラトガ地区。ここには半導体等のハードウェアビジネスで成功した人達が住んでいます。

シリコンバレーの「お金持ち」「億万長者」と言うと、貯金を200万ドル(2億円)以上持ち、高台にある150万ドル(1億5千万円)以上もする住宅に住む人達だそうです。
総資産額350万ドルというとアメリカ全体からすれば、上位2%の富裕層に相当します。

しかし、こうしたバレーの億万長者と言われる人々は、「1970年代にイメージされるような、執事を雇ったり、自分は大きな家でのんびりしていて、自宅から部下を遠隔操作するようなイメージ」とは大きく異なっています。殺人的スケジュールで働いている人が多いのです。
例えば、自らを「オタク(Geek:ギーク)」と称するデジタルエリートであるK氏は、スタートアップ企業のマーケティング管理者を努め、彼の日常は、朝7時から働き、週末の残業も10時間以上、海外出張も多く、1ヶ月に1度は海外に出張に出かけるといいます。

「なぜあなたのようなお金持ちがそんなに一生懸命に働かなければならないのですか?」と問うと、「一生懸命働かないと『億万長者』を維持することはできない」というのが現実のようです。

いくら大金を稼いでも、上には上がいます。「真の億万長者」が自分達のいるポジションよりさらに上に存在する。
いわば「隣の芝は青い」症候群ともいえるのかもしれません。

例えば、年間何千万ドルの報酬を得る上級役員、年間10億ドルもの資金を集めるファンドマネージャー。
そういう「真の億万長者」の話を見ると、K氏ら「億万長者」は自分達の存在をちっぽけなものだと感じてしまうそうです。

「上を見ればきりがないが、ついつい見てしまう」シリコンバレーの状況は、ウォール街に似ていると称する人もいます。

シリコンバレーの給与は同一職種であってもアメリカ平均より押しなべて高い状況にあります。
「いかに仕事の結果を出すか」その成果によって、会社の社長よりも多額の給料を得るIT技術者もいるそうです。

多くのビジネスマンが、ここでは「自分より上の存在が身近にあるプレッシャー」が常にのしかかり、どんなに成果をあげても。精神は少しも休まらない・・・・・

超競争社会、これもシリコンバレーの一面なのだと思いました。