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スタンフォード便り

大統領選挙後の騒ぎ

2008/11/17 15:11

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新大統領が決定し、早、1週間以上が経過したアメリカ。
日本でも、来年1月、誰が国務長官になるのか、財務長官になるのかといった合衆国新政権の主要ポストについて話題になっていると思います。
民主党の内部で人材選びに携わっている人に聞いてみると、もう大凡の人事案は決まったようです。
ワシントンDCでは、1月の新旧交代の引っ越しへ向けて、既に準備で大変だとも聞きます。

さて、そうした大統領選挙後の騒ぎの中で、大統領選挙と同日に、各州毎に様々な条例案の住民投票が実施されたことはご存知でしょうか?
カリフォルニアでは「プロップ8(条例案8)」と言われる「同姓婚を禁止する」条例が僅差で可決されました。
このプロップ8を巡る騒ぎが、今も続いているのです。

 

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11月15日土曜日午前10時半、雲一つない青空の下、サンノゼ市役所前の広場に2,000人ものあらゆる年齢、あらゆる人種の人々が集まってきました。この人たちは、「プロップ8」に反対する人々です。つまり「同姓婚を禁止する法律は合衆国憲法に抵触する」と主張しているのです。

彼らは日中、サンノゼの中央通りをデモ行進しました。
みんな「プロップ8反対」のプラカードを持ち、口々に「人権を守れ!」と叫び、デモを応援する通行車の鳴らすクラクション
で街中は騒然としていました。

当初、このデモ行進は、全米80都市で行うとして、同姓婚支持団体がマイスペースやフェイスブックといったソーシャル・ネ
ットワーキングを通じて、主旨に同意する人達の参加を呼びかけました。
この呼びかけに応じて、結局、当日は当初80都市での実施のはずが、300都市へと拡大し、主に大学生ら若者が参加したのです。
本人はゲイやレズビアンではなくても、「自由な生き方が認められなかった」という事に反発して参加した人々も多かったようです。

サンフランシスコ市は、住民投票前は同姓婚に柔軟な考えを持っており、市役所で多くの結婚式が執り行われてきました。
市内には、シンボルである七色の旗がはためく、ゲイやレスビアンのカップルが集中して住んでいる地区が公然とあり、訪れる観光客にとっては、一種の観光地化していたところもあります。
それが、11/4の住民投票でプロップ8可決されたことで、これまで何となく認められていたこの問題が一気に表面化することになりました。

日本ではこうした議論が起こること自体考えられないような気がしますが、カリフォルニアを中心としたこの議論、単純にそしてやや乱暴に、双方の論点をまとめてみると、反対派(同姓婚支持)は、「万人の自由に生きる権利を守る」という主張であり、一方、賛成派(同姓婚禁止)は、「結婚とは人間が子孫を残すための神聖なイベントである」という主張だと言えると思います。

スタンフォード関係者にこの問題について意見を聞いてみると、年齢に関係なく、意見は実に様々です。
しかし、誰もが、次回の住民投票で提案されたら、きっとプロップ8は否決されると見ているようです。

様々な人種が住み、「人権擁護」には取り分け神経質なアメリカにおいては、同姓カップルが異性カップルと同じように法律的に保護される正式なカップルと認められる日はそう遠くないような気がします。自由の国、アメリカ。しかし、自由という言葉をどう解釈するのか、どんな自由をこの国はこれから大事にしていくのか、多様な生き方が許される時代だからこそ、今後予想もつかないような人権、自由を求める動きがあるかもしれません。