スタンフォード便り
ブラック・フライデー
クリスマスと並んで、アメリカ人にとって大切な祝日である感謝祭を迎え、いよいよ今年も年末のお祭りシーズンの到来です。
今年の感謝祭は11月27日(木)。企業では翌28日(金)を休みにして4連休とするところが多く、連休初日の午前中は主要道路を通行する車の影は殆どなく、とても静かでした。
感謝祭には、多くの家庭で、恒例の七面鳥の丸焼きやスタッフィング(七面鳥の旨みが凝縮されている添え物)、パンプキン・パイ等がテーブルに並び、家族団欒を楽しみます。
最近では、出来合の丸焼きを買ってくる家庭も増えていますが、家庭で七面鳥を調理するには4~5時間(知人宅では、前日から8時間かけて焼くと言ってました・・・・)はかかり、準備は大変です。夕方のディナー・テーブルにご馳走が並びます。
私も友人宅に招待されて、ホームパーティに参加しましたが、普段は仕事が忙しくて親の顔を見に帰ってくることができない息子夫婦や娘夫婦、その子供達も勢揃いし、大変にぎやかな楽しいパーティでした。
それでも、不況の影響でしょうか、例年ですと、帰郷ラッシュで国内便が数時間遅れで到着することが多いそうですが、今年は、どの便にも遅れは見られなかったようで、ワシントンDCから帰郷した友人の息子家族は「昨年は4時間遅れで到着したけれど、今年は30分も早くて楽だったよ。」と話していました。
感謝祭かクリスマス、どちらかに帰郷するという人が増えたのがその理由のようです。
感謝祭は家族団欒とともに、年間で最も大幅なディスカウントセールが行われる、バーゲンハンターが心待ちにしているシーズンでもあります。感謝祭翌日の金曜日は、「ブラック・フライデー」と言われ、これまでの赤字分もこの日だけで黒字に変えてしまう程の売上げがあがる大切な日であり、それ程の売上をあげなければならないという、商業者にとっては非常に厳しい追い込みの時期です。
今年は、消費者が普段の買い物を我慢してきた反動があったようで、商業者もびっくりする位、ショッピングモールへ客が殺到しました。入店客の勢いに押され、入り口担当だった店の従業員が亡くなるという悲しいニュースも報じられた程です。
28日当日は、なんと午前3時から開店する大型量販店もあり、その他の主要なモールも、それに負けまいと午前5時には開店しました。客の中には、大事な感謝祭のディナーをキャンセルして、前日から泊まり込みで並んだ人もいたようです。
主要なショッピングモール近くのフリーウェイの出口付近には、2マイル以上の列ができ、ハイウェイパトロールが渋滞整理をしていました。モールの客は駐車スペースが見つからず、入店するのに平均1~2時間は待たなければならない状況だったようです。
近所の電化製品専門の量販店に行ってみましたが、ソニーやヒューレッド・パッカード、IBMといったメーカーのパソコンが、半額、或いは6割ディスカウントで販売されていたり、8Gのフラッシュメモリーが通常ですと、24ドル(約2,400円)程するものが、4.5ドル(約450円)で売られていたり・・・早朝から深夜まで来店客で店は満杯でした。
財布のヒモが固く結ばれていたアメリカ消費者も、感謝祭、そしてこれからのクリスマスシーズンへ向かって、家や車のような大きな買い物は先延ばしするものの、やはり通常のお祝いは我慢したくないという心理が働いているのだと思います。しっかり祝って、来年こそはいい年にしたい、そんな願いもあるのかもしれません。